噂…



「…別の大学に行くんだってな」




 そう、だから私は必死に勉強をしてきた


 国立大の、それも奨学金審査をパスするために…




「…旦那様のお世話になるのは

 18までだと予め決めていたんで」



 いくら世話係だと言っても

 結局は居候にすぎない身分で



 せめて高校卒業までは面倒を見てもらおうと思った



 旦那様も私が言う前から高校入学の手続きはしてくれていたし




「勝手を言って、申し訳ありません」




 深々と頭を垂れる




「…」



 坊っちゃんは、何も言わない