「どうぞ」



 他の住み込みの人が

 何か緊急の連絡事項でも伝えに来たのだろうと思った



 すぐに明かりをつけて、

 軽く髪を整える



 …だから入ってきた人を見た時は驚いた




「坊っちゃん?」


「…まだ起きてたの、マリア」



 そのまま部屋に入ってきて

 私の顔をじっと見つめる




「…ほら、隈できてる」




 そう言った坊っちゃんの顔はどこか悲しそうだった