貴女は僕の運命の人ではありませんでした




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「じゃぁ、またね。気をつけて帰ってよ?」





「うん!貴司もね!」





アレから俺とトモは車の中でずっと色んな話をしていた。


野球の事、仕事の事、過去の恋愛話・・・


どんな話も楽しくて、時間が経つのも忘れるくらいで・・・


でも「...もう帰らなきゃ」というトモの声で現実に一気に引き戻された。


家に帰れば純がいる・・・


トモもおそらく今から彼氏に会うんだろう。





「...あ。トモ。」





「ん?なに?」


車を降りようとしたトモが振り返る。





「...約束...守ってよ?」





トモは一瞬、“約束?”って顔をしたけど、すぐにニッコリ笑って、





「わかったよ。じゃぁ、またね。」





「うん。あ...明日も仕事終わったら逢おうよ!」





「うん!また連絡してね。おやすみぃ!」







・・・“約束”絶対守ってよ。


彼氏とセックスしないって約束・・・俺も純とはしないから・・・






トモが帰るのを見送って、俺はシートを倒して天井を見上げる。


家に帰りたくねぇなぁ。


純・・・俺に抱かれにくるだろうし。


また“好きッて言って”とか言われそうだし。


今日はこのままココで寝ていこうか。







トモに逢った後に純の顔を見たら、“別れてくれ”とか言っちまいそうだし。


ってか、別れてもいいんだけど。





でも。


今は純との事でごちゃごちゃしたくない。


トモとこうやって過ごせる事だけに集中したい。






やっぱり今日はココで寝ていこう。


俺はそのまま目を閉じた。