貴女は僕の運命の人ではありませんでした






「...ごめん。自分で聞いといてなんだけど...聞きたくない..」





「...貴司。」





トモを抱きしめると力一杯のはずなのに身体中がフワフワする。


俺の腕の中に居るんだって実感すると、身体中がくすぐったい感じになる。




「トモ、何度も言ってウザイかもしれないけど...ホントにトモが好き。めちゃくちゃ好き...」




「...うん」





「...トモは?」





「...あたしは...まだわかんない。」





「...そっか」





「...でも。今みたいにこうやって貴司にギュってしてもらってるとなんか落ち着く...」





「...そっか。それだけでも俺は嬉しいよ」





少し抱きしめる力を緩めて、トモの顔をみる。


トモも俺の顔を見つめてくれる。


・・・十数秒、そのまま・・・





「...なぁに?なんか、照れるじゃん!」




トモがあのクシャっとした笑顔でそう言った。


・・・その笑顔で俺はもう我慢の限界。


この笑顔・・・ホントに俺大好き。





「トモ、早く俺を好きになって。早く俺で一杯になってよ。」





俺はそのままトモの唇に自分の唇を重ねた。