貴女は僕の運命の人ではありませんでした




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----・・バタンっ




部屋に入り、とりあえず大きなテレビの前にあるラブソファーに座る。


トモも俺の横にチョコンと座った。


恋人同士じゃなくて、でも、なんとなくお互い意識はあって・・・って状態でこういうトコにくると、変に意識しちゃってドキドキする・・・





「...あ、とりあえずなんか飲み物頼もっか!」




「う、うん...そだね」





目の前にあるメニューをパラパラっと捲り、トモは俺に少し触れるようにメニューを覗きこむ。




「あ、あたし、アイスコーヒーにしよ!」




「...んじゃ、俺も同じでいいや...」





リモコンでアイスコーヒーを注文。




「へぇ...今のラブホってこうやって注文するんだ?昔はわざわざ電話で注文してたのに...貴司、慣れてるねぇ。」





「は?!慣れてないし...メニューの...ほらココに書いてあるじゃん?“ご注文はテレビリモコンで承ります”って!!ってか、ホント慣れてないし!!」




「...そんなにムキにならなくても...」





・・・確かに。そりゃぁ、純とはこういう所来た事ないけど、彼女がいない時とかは一夜限り・・・とかあったりする訳で・・・




「そういうトモだって...実は彼氏と来たりしてんじゃないの?」




自分に矛先が向かないようになんとなく言ってみたけど・・・


彼氏との情事話なんて聞きたくもない。




「...彼氏とは...っきゃっ...!!」





そう言い掛けたトモを俺は抱きしめた。