貴女は僕の運命の人ではありませんでした




「ねぇ...智香さん」




「...なに?」




「...“トモ”って呼んでいい?」




「何?急に...べつにいいけど...」




「彼氏はさ、“智香”って呼ぶでしょ?同じ呼び方はなんかシャクだから...」




「伊東くんってそういうの気にするタイプなんだ?」




「トモ...も、俺のこと名前で呼んでよ。」




「うーーーん...貴司...だから... 「あ、“たかちゃん”以外でお願い!」




「“たかちゃん”は嫌なんだ?...んじゃぁ、そのまんまで“貴司”は?」




「うん、それがいいかも♪じゃぁ、それで!」






・・・“たかちゃん”なんて呼ばれたら、純が居るみたいで微妙だし






「さぁて...そろそろ行こうか。明日も練習でしょ?」





トモはそう言うと伝票を持って席を立った。


俺的にはまだ・・・帰りたくないけど。


俺も立ち上がり、トモの手にある伝票をサッと奪う。




「行こっか」




「年下のくせに生意気~!!ココはあたしがおごるから♪」




「子ども扱いすんなって!女の子に払わせるなんて嫌だし!」




俺がそう言うと、トモはクスっと笑って、「ご馳走様♪」と俺の後ろに回った。