貴女は僕の運命の人ではありませんでした




「...あぁ、彼氏は今日は大学の友達と出かけるって...」




「へぇ...そうなんだ」



・・・どこかで聞いた話・・・俺と同じ言い訳してんだ?・・・まぁ、大学のツレなんて嘘だな。




「あ!勘違いしないでね?彼氏がダメで、暇だから伊東くんを誘った訳じゃないの!」




「んじゃぁ、何で俺を誘ったの?」




「...なんでだろ...なんか、話がしたくて...かな」




「そっか。嬉しいよ、マジで。正直、今日俺めっちゃ凹んでてさ...」




「どして??」




「だって、智香さんの彼氏を見ちゃったし、話しちゃったし、試合負けたし...一番ショックだったのは、智香さんと彼氏のツーショット見ちゃった事なんだけどね。」




「...同じ車で来たから...」




「なんつうか...“俺が彼氏だ”って感じだったし。智香さんに触れたり、“智香”って呼び捨てしてたり...すげぇ、妬いた...」




「伊東くん...」




「あ。でも、こっそりキスできたからいいけど?」




俺がそう言うと、智香さんはまた照れた感じで「バカっ!!」と俺におしぼりを投げてきた。





・・・あ・・・この感じ。


初めて食事に行った後でバッティングセンター寄った時にもこんな雰囲気だったよな・・・


あの時は俺が智香さんに投げたんだけど・・・