貴女は僕の運命の人ではありませんでした





智香さんがナビったカフェは、THE 昭和の日本家屋って感じのカフェだった。


中は、外観と違って今っぽくてお洒落。


案内されたソファー席に向かい合って座っる。



見上げると吹き抜け。


まわりを見渡すと小説やらの沢山の本。


各席にある間接照明が、とても良い雰囲気。



店内は狭いけどお客さんでいっぱいでザワザワと騒がしくない程度にあちこちで話声がする。


誰もまわりにある小説を手に取る人は居なくて、その小説たちはただのインテリアなんだとわかる。




「あ!あたし、抹茶ケーキ食べよっと♪伊東くんは?」



メニューを指さしながら智香さんが言う。




「あーーー俺は...ベーグルとカフェオレにしとこかな...」




注文を終えて、今日の話を・・・したいけど出来ずに・・・昨日のプロ野球の結果とかを話す。



「あの回のピッチィングよかったよね~!!満塁でよくしのいだよね!!」



身振り手振りで話す姿が可愛くて、おまけに間接照明が智香さんをより一層綺麗に映している。



思わず顔がにやける。




「ちょっ!!伊東くん、何笑ってんの?!ニヤニヤしてるよ?」




「え?あぁ、ごめん。智香さんが可愛いからつい...」




「...何言ってんだか...」



智香さんは照れて少し俯く。




やっぱり、気になるから聞いちゃおう・・・




「...ねぇ、智香さん。今日は彼氏と過ごさないの?」