貴女は僕の運命の人ではありませんでした




「も、もしもし?!智香さん?!」




「...電話出るのはやっ!!」




電話の主はまさかの智香さんで・・・俺に電話かけてくるなんて・・・


一気に手に汗が滲みだす。




「どうしたの?電話...俺に逢いたくなったとかぁ??」


冗談で俺の今の動揺をカモフラージュ・・・




「......」




「...アレ?冗談なんだけど?ってか、どしたの?今日なんかグランドに忘れ物したとか??」




「...ううん、忘れ物はないよ?...ちょっと...」




「ちょっと...?」




・・・もしかして・・・冗談じゃなかったりして。



電話の向こうの智香さんは、暫くだんまりで。


スゥーーっと、息を吸い込む音が聞こえてから、





「...伊東くんに電話したくなったから...」





・・・そんな殺し文句を俺に言った。