貴女は僕の運命の人ではありませんでした


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・・・5-0で完敗。



試合終了の挨拶を終えて、山瀬さんが俺の元へやってきた。


今、一番会いたくない相手なんですけど?




「いやぁ、完敗です...練習量が違いますね」



・・・こういう時、営業マンって事に感謝する。


だって、誰にでも感情殺して話が出来るから。




「いやいや、たまたまですよ...」




「また、お時間ある時に試合お願いしますよ~」




「こちらこそ、またお願いします。では...」




山瀬さんはそう言うと、グランド整備をしている子供達に声を掛けて集合させた。




・・さぁて、俺も反省会すっかな。


「しゅうご... 「智香~!!スコア持ってきて!!」




俺が集合をかけようとした時、山瀬さんが智香さんを呼ぶ声と重なった。



・・・呼び捨て。なに?彼氏の特権??


・・・試合で負けて・・・智香さんのことでも負けるの?俺・・・


・・・ぜってぇぇ・・・負けたくねぇし。





「監督??」



いつの間にか集合していた子供達に呼ばれハッとする。



「あぁ...ごめんな。今日は...俺の采配ミスで負けたようなもんだから。みんなはよく頑張ってたからな。次こそは勝とうな!!じゃぁ、今から守備練習!!」




「「「「「  はいっ!!  」」」」」




・・・次は絶対お前らに勝たせてやるから。