貴女は僕の運命の人ではありませんでした




食事を終えて、智香さんは抹茶アイスを注文。


最近暖かくなったとはいえ、まだ五月。


夜は肌寒いのに・・・女の子ってアイス好きだよなぁ。




五月・・かぁ。


智香さんにはじめて逢った日・・・試合で一目惚れした日からもう二週間が経ったんだ。


あの時はまさかこんな風に仲良くなるなんて思ってもいなかったな。




「あ!ねぇ、伊東くん!この後どうする??またバッティングセンター行っちゃう?」




アイスを食べてたスプーンをバットに見立てて、小さくスウィングする智香さんに思わず笑ってしまった。




「ちょっ...智香さん、ソレ可愛すぎる!!計算?それとも天然小悪魔?」




もちろん、計算・・だなんてこれっぽっちも思ってない。


智香さんは俺の萌えポイントを天然でやっちゃうんだ。




「うわぁ!!ヒドっ!!年上に向かって可愛いは無しだよ!!」




「だって、マジ可愛いもん。...ってか、今日はバッティングセンターには行かずに俺の好きなトコ連れてっていい?」




「好きなトコ??ドコ??」




「うん、好きなトコ。行けばわかるよ」




「うん!!なんかミステリーツアーみたいで楽しみぃ!!」




・・・ソコに女の子を連れて行くのは智香さんが初めてだって事は、まだ内緒にしておこう。