貴女は僕の運命の人ではありませんでした



スーパーの駐車場に着いて、純の車に乗り込む。


・・・後部座席に・・・




「お疲れ様!!ご飯何食べに行く??ってか、なんで後部座席に座るの?前来てよぉ!」




「あぁ...疲れたからゆっくり座りたくて...飯...何食いたいの?」



・・・“前来てよぉ!”とか智香さんに言われたかったわ・・・。


っつうか、もう彼氏と会ってるんかなぁ・・・。


楽しそうに笑う智香さんを勝手に想像して、またイライラがこみ上げてくる。


はぁ・・・早く明日になれよ・・・。





「ちょっと!!!たかちゃん!!!聞いてる?!?!」




純が急に大きな声をあげた。




「あ...わりぃ...考え事してた。..で、何だった?」




「もぉ!!たかちゃん、疲れすぎ!!あたし、パスタ食べたいんだけどいいかな??」




「んぁ..あぁ..なんでもいいよ、俺は。」




「じゃぁ、あたしの行きつけのお店でいいよね?よしっ!」




純はそう言うと、車を走らせた。


それから店に着くまで、俺はずっと純の話をほとんどまともに聞けず、


“あぁ...”とか、“そうなんだ...”でかわし、


途中で、“聞いてる??”と何度も確認が入ったけど、“聞いてる聞いてる”と適当に・・






・・あ。智香さんにメールしてみよかな。




“お疲れ様です。明日楽しみだね!”



彼氏と居るだろうって時にわざと送るメール。一瞬でも、俺の事を思い出して欲しいから。