家に着いて、カードキーを入れ、ドアを引く。
ガンッッッ・・・
俺がカードキーを差し込んだら鍵が掛かった状態になったらしい・・・
つまり・・・鍵は開いていたことになる。
つまりつまり・・・家に誰かがいる。
つまりつまりつまり・・・純がいる。
「はぁ・・・マジかよ」
ため息しか出ない。
智香さんの彼氏の件でテンションさがってんのに、純が居るって・・・
ますますテンション下がるじゃん。
今日くらい、智香さんの余韻に浸らせて欲しかった・・・
俺は、仕方なく、再度カードキーを差し込んで、ガチャっとドアを開けた。
リビングのドアを開けると、
「あ!たかちゃん!!おっかえりぃ♪」
パジャマ姿で、洗濯物を畳んでる純が目に入る。
「はぁ。今日俺帰り遅いって言ってたじゃん?...なんでいるの?」
・・多分・・ってか、絶対言ったらいけない台詞だったんだと思う。
純の顔が一瞬強張ったのもわかったし。
「...えっと...家に居ても退屈だったから、たかちゃんの家に行って待ってようかなぁって思って...ごめんね。疲れてるよね。」
「俺、風呂入ったら寝るし、どっちみち退屈なのは変わらないんじゃない?」
「...ごめん...」
シュン・・とする純を見て、さすがに言い過ぎた、申し訳ないって気持ちになったけど、俺はそのまま風呂に向かった。
風呂から出ると、純はすでにベッドの中で寝息をたてていた。てっきり、自分の家に帰るもんだと思っていたからビックリした。
・・・結局、寝ていくんだ・・・
俺はそのままベッドに入らずにリビングのソファーで眠った。

