貴女は僕の運命の人ではありませんでした





智香さんの車が角を曲がるまで俺は智香さんを見送っていた。




今、別れたばかりなのに、もう逢いたくて。


もっともっと一緒に居たくて。


もっともっと声が聞きたくて。




家にゆっくり歩いて向かいながら、智香さんと過ごした時間を振り返る。


待ち合わせ・・・一か八かの微糖のコーヒー・・・カツ丼・・・バッティングセンター


思い出しただけで、顔がニヤケちまう。




すると、手に持っていたジャケットのポケットがバイブした。


携帯を開くと、智香さんからのメールで。


“帰宅したかな?今日はホント楽しかったね!ご馳走様でした”と。





マジ・・ヤバイ・・・


文字を見ただけでドキドキするなんて・・・かなりの重症。





“俺も!!ねぇ、来週また会えないかな?”




俺はあまりのテンションの高さから、セカンドデートの誘いをした。


すると、すぐに手の中の携帯がバイブする。




“いいよー!また水曜日でいい?”





まさかの返事にますますテンションが上がる。