貴女は僕の運命の人ではありませんでした




“伊東くんは紳士だから♪”


そんな事言われちゃったら、手も握れないじゃん。


おまけに“...っね?”・・なんて念押しされたし。





「あ..あったりまえじゃん?」


そう言うしかないし・・。




「あ、...もう0時だし..そろそろ帰ろうか。あたし、明日朝早いの..」




「...そうだね。あ、俺、ここでいいからさ!歩いてすぐだし!!っつうか、今日はありがとう!めちゃくちゃ楽しかった!」


そう言いながら、ドアに手をかけて、少しドアが開いたくらいのタイミングで・・・




「あたしも楽しかった♪また遊ぼうね!!」




智香さんがそう声を掛けてくれた。


“また遊ぼうね!!”って・・・“また”誘っていいんだ?“また”逢ってくれるんだ?


社交辞令??


・・・例えそうだとしても、それでもその言葉は嬉しい。




「うん、またね!おやすみ!!智香さん、気をつけて帰ってよ?」




「わかってるって!誰だと思ってんの?超安全運転で帰るよ!」




車を降りてから、助手席側の窓がウィーーーンっと開いて、“おやすみぃーー!”と智香さん。



・・・ホント可愛い。