貴女は僕の運命の人ではありませんでした




俺が車に近付くと智香さんは携帯をいじるのを止めた。



助手席に乗り込みたい所だけど・・・後部座席に乗り込んで、コーヒーを手渡す。




「はい、これ。いつもの無かったよ」




「あ、いいよいいよ。ありがとう!いただきます♪」




「どーーーぞ...ってか、彼氏大丈夫?」




「え?何で急に?」




「何でって...さっき携帯いじってなかった?彼氏にメールしてたんじゃないの?」




すると、智香さんは“あはははーーー!!”と、笑い出した。




「違う違う!!実はね、あたし、今アプリでゲームやってて。ソレが、時間が経つとパワーが戻るのよ。だから、そろそろパワー戻ったかなぁ?なんて思って...」




「へ..?そうなの?てっきり彼氏にメールしてたんかと思ったよ」




「おっかしぃ!!ってゴメンネ!!さすがに人と会ってる時に携帯ばっかり気にしてたら悪いなぁって思って、こっそりやっちゃってて。」




「まぁ...いいけど...」




俺は、めちゃくちゃホッとしてるのを隠す為にズズズ・・・とカフェオレを飲んだ。