貴女は僕の運命の人ではありませんでした







「貴司!!どういうこと?!何があったの?!純ちゃん泣いて帰っちゃったわよ?!」






オカンがノックもせずに俺の部屋に入ってきた。






「...別れた...」




「...はぁ?!」




「...純と終わりにした...と思う。」




「...はぁ?!どういうこと?!」





なんで親にいちいち俺の恋愛事情を話さなきゃいけないのか・・・って思ったけど、


“結婚”って言葉を口にしていただけに一応説明はしておくべき・・か。




俺はベッドに座りなおして、オカンに言った。





「...俺さ、ちょっと前から好きな人がいるんだ。どうしようもなく好きで...
純には申し訳ないけど...純よりも好きで...
だから、純とは結婚できない...」




「...純ちゃんはその事を...?」




「んぁ、知ってた。だから俺との結婚を勝手に進めたかったみたい...」




「...そう。」




「...ごめんな。なんか裏切ったみたいで...」




「...純ちゃんの事は私は好きだったから、ショック...だけど。
でも...結婚はお互いの気持ちが一致しないと...ね。
...そっか...そうなんだ...そっかそっか...」





明らかに落ち込むオカンを見て、本当に純にも、オカンにも申し訳ないことをした・・・って気がした。