「...純。聞いてくれ。俺は... 「聞きたくないっっ!!!何も聞きたくない!!」
純は両手で耳を塞ぎ、激しく頭を横に振った。
「たかちゃん...ただ単に浮気しただけだよね?
ちょっと他に気持ちがいっただけだよね?
またあたしを好きって言ってくれるよね?
またあたしを抱いてくれるよね?
またあたしのところに戻ってくれるよね?」
「......」
「“うん、そうだよ。”って言ってよ!!
“間がさした、浮気しちゃってごめんね”って言ってよ!!
“やっぱり純が好きだよ”って言ってよ!!!」
「......」
「っねぇ!!たかちゃんっっ!!!」
悪いのは俺・・・
純を裏切ったのは俺・・・
なのに・・・
今、激しく泣き叫ぶ純の姿を見ても・・・
俺は何も感じなくなっている・・・
むしろ・・・
鬱陶しいとすら思っている・・・
もう。本当に終わりだ・・・
「...純...ごめん。」
「...なにがごめんなの?浮気した事?」
「...ちがう。」
「じゃぁ...なんで?なんで謝るの??」
「...俺はもう純に気持ちが全く無いんだ...もう...好きだとも思っていない。
今更なんだけど...付き合い始めた頃から...そこまでの感情はなかった...のかもしれない。」
「......」
「...ごめん。本当に...申し訳ない...」
「...だからいつもセックスする時に“愛してる”って言ってくれなかったの...?」
「...そうかもしれない」
「...酷いよ。
その女には“愛してる”って言えるんだ?
あたしの気持ち弄んで...酷いよ...」
「...申し訳ない」
純はそのまま何も言わずに俺の部屋を出た。

