「...え?」
「...そんなに...あの写真の女が好きなの?
...いつから好きなの?
...セックスはしたの?
...家には入れたの?
...毎日毎日帰りが遅かったけど、毎日毎日その女と会ってたの?
...出張だって言ってた京都も、その女との旅行だったんだ?」
「...純...なんで...」
「...否定しないんだ?...ちょっと待ってて...」
純はそう言うと俺の部屋を出て行き、すぐにまた戻ってきた。
バッグから俺のカメラと一枚の葉書を取り出し、それをテーブルの上に投げつけるように置いた。
「このカメラの中のデータ...見たの。綺麗な人だね...スタイルもいいみたいだし。」
「......」
「ペアリングも買ったんだ?あたしには買ってもくれなかったのに...」
そう言って純が向けた視線の先の葉書に俺も視線をやり、それを手に取って見た。
どうやらこの間買ったペアリングの店からのダイレクト葉書のようで、ご丁寧にも一言が添えてある。
“先日のリングの具合はいかがですか?サイズ直しやクリーニングの際はお申し付け下さい。素敵な彼女さんとのご婚約指輪のご注文も心よりお待ちしております”
俺はその葉書をテーブルに置き、また深い深呼吸をした。

