ひどく懐かしい夢を見た。 公園でひとり膝を抱え、泣いている幼い私。 そんな私に人形を差し出す少年。 顔はよくわからない。 けれど、そんなことをしてくれるのは、奏ちゃんしかいないはずだから。 あの頃から、ずっと変わらず、優しい奏ちゃんしかない。 私と奏ちゃんは、世界中で唯一無二の存在だ。