「…まだ俺の事好きなの?」

解放された両手で顔を覆って涙を拭くけど、止まる気配はない


すると、隼人が冷たい声でそう零した。


ビクッと肩を震わせててしまって、もう言葉で何を言ったって無駄だろう

それでも、否定するしかないんだ。


その線を侵してはいけない


『…そんな事、あるわけないっ!!』


涙を拭っていた両手で思い切り隼人を突き放して、身体の底から叫んで、私は部屋から逃げ出した。


そしてそのまま家からも飛び出した。


涙が止まらない

バレてしまった絶対に

もう戻れない

家族にも、その前の関係にも



もう二度と、戻れない。