温かいぬくもりと優しい香りに包まれて、ふわふわと空を飛ぶ夢を見た。


夢で私は高杉君のもとに飛んでいって、その腕の中に飛び込んでいた。


笑って私を抱き締めてくれて、心から幸せになる

覚めないで、このままずっと夢を見ていたい。



『た……か…す、ぎ君』


「咲絢、大丈夫?」



私が寝言で高杉君を呼ぶとそれに答えるように声が聞こえて夢から覚めてしまう。

眼を開けると、すぐ傍に私の髪を撫でる高杉君が見えて、私はまだ夢見心地な気分。


だけど、段々と意識が戻ってきて現実が頭の中に蘇ってくる



『私…どうして…』


「睡眠不足だよ。昨日寝てないの?」


『…あ、うん』



よく見るとここは保健室だった。



そうだ、朝倒れたんだ。