不思議書店

階段を下りて地下1階に来た。

そして一つの扉の前に佇む。

息は荒く肩で呼吸をする。

見上げた先に見えるのは『霊安室』の文字だった。

祥子はこの後2週間、正気を保てずずっと家にいた。

自分があの時アノ場所に行きたいなんて行かなければ、

あんな場所を歩かなければ・・・・

家に引きこもっていた時頭をめぐっていたことはそんなことばかり。

何を悔いてもあの人が戻ってくることは無いとわかっているが、信じたくない気持ちが大きかった。

祥子は意を決して扉を開く。

なかには一人の人が白い布をかぶされ、横たわる。

「・・・やっぱり・・」

祥子はその場に座り込んだ。

こんな記憶なくなってしまえばいいと思いながら。

彼に関わった全てのことが忘れられたら・・・っと。

祥子は目を閉じた。