不思議書店

気づけば祥子は電車の中で椅子にすわっていた。

横には見覚えのある顔の人物が眠っている。

「あ・・・健さん・・?」

祥子の隣で寄りかかるように眠っていたのは、祥子の夫の健(たける)だった。

車両の中に次の駅を伝えるアナウンスが響く。

『次は~東京~・・』

そのアナウンスで、健は目を覚ました。

「おぉ、祥子・・・もう乗り換えだな~」

「え・・えぇ・・」

祥子は曖昧な返事を返した。

----東京駅・・このような光景を祥子は一度見ている。

それは2週間前のことだった。

その日は二人で目的地へ行くために電車で移動していた。

東京駅には乗り換えのために降りた。

だが・・・・・

「おーい、祥子、どうしたー?」

立ち止まっていた祥子を不思議に思い、前を歩いていた健が声をかけてきた。

「あ・・いえ、なんでもないわ」

慌てて歩みを進める。

頭の中では混乱が渦巻いていた。