「……」


俺は誰も愛してはいけないのか…



和馬兄を失った時の菜摘さんの顔を想い出した。


赤ちゃんの舞ちゃんを抱き締めて…
和馬兄の遺体に泣きながら縋った。





髪を乱し…化粧が剥がれるまで泣き尽くした菜摘さん。



兄貴に対する愛の深さが分かった。



俺との間には無かった二人の赤い糸で結ばれたような強い繋がり。




こんなにも深く愛された兄貴が羨ましかった。