「晃生…私と舞から和馬を奪っておいて…自分だけ…幸せになろうなんて…酷いわ!」
俺を急に呼び捨てて強い口調で言い放つ。


「菜摘さん??」


「……」


菜摘さんの目つきはいっそ鋭くなって刃のように俺の身体を貫いた。


俺は何も言えなかった。



無言で菜摘さんの言葉を受け止める。



「由真ちゃんとは何もない…。唯…文化祭のダンスパーティがあって…パートナーをするだけだ」



「……」
菜摘さんは納得したのか…黙ってしまった。


重苦しい沈黙…



「ママ…おしっこ」


先に寝てしまった舞ちゃんが奥の部屋から出て来た。
舞ちゃんの登場で俺と菜摘さんの殺伐とした雰囲気が少し緩んだ。