君だけを

家について早速電話をしようとしたが

いきなり電話したら引くかな。

そう考えた。

だけど今の僕には椎名さんへの思いを押さえることはできず、

一時間ほど悩んで電話をした。



プルるるる

プルるるる

呼び出し音が長く感じる。

僕の心臓はすごい早さで脈をうっていた。



しばらくのコールの後、椎名さんがでた。

「はい....」

「あっえっとあっいや、松岡!です!いきなり電話してごめんなさい!
明日一緒に行きませんか!?」

「どこへ?」

「がっ!学校へ!」

僕は頭が混乱していて自分でもすごいくらい積極的になっていた。

「クスッ....喜んで。」

「あ、えっとうん!じゃあお休み!」

緊張のあまり自分から電話を切ってしまった。

なにやってんだ!情けない。

でも明日がすごく待ち遠しかった。