君だけを

この日から僕の頭の中に椎名さんに

告白したい。という思いが湧いていた。


僕はそのことばかり考えていた。

いつも通りの風景。

机の中の自分の教科書。

くっつけた机。

椎名さんとのわずかな距離。

これじゃたりなくなって

もっと椎名さんのそばにいたい。

そう。僕はどんどん欲張りになって行ってしまった。



僕は椎名さんに思い切ってアドレスを聞いた。

メールアドレス、聞いていい?

ノートの隅に

書いた。

椎名さんは


「携帯....メール使い方わからないから....電話番号で、いい?」

僕は勢いよくうなづいた。

椎名さんは可愛らしいメモ帳に

綺麗な字で番号を書くと僕に渡した。

僕はその日家に帰るのが待ち遠しかった。