「随分と上手くなったな。」
野菜を切ってると、斎藤さんに褒められる。
私は嬉しくなって言った。
「そんなことないですよ!!」
少し調子にのったせいか、包丁で手を斬ってしまった。
私は慌てて水で洗う。
「あたたた……。」
「やはり、そうでもないな。」
「ええっ!??そんな酷いこと言わないでくださいよーっ!!」
と、
何時の間にか、私と斎藤さんの間に花見ちゃんが。
あっかんべーをしては、斎藤さんに抱きついた。
斎藤さんは呆れてため息をついてたけど、私は腹が立って仕方がなかった。
別にヤキモチじゃないよ。
ただ、なんかむかつく。
いちゃついてもないのに、こうやって私を悪者扱いするのが。
「離れろ。」
「やだっ!!」
「離れろ」
「やだやだっ!!」
もっと強く抱きしめる花見ちゃん。
「キモい。」
斎藤さんの口から出た衝撃的な言葉!!
私は目を大きくして斎藤さんを見つめた。
「え……。」
呆然と斎藤さんを見つめる花見ちゃん。
ショックを受けたに違いない。
っと思ったんだけど……
「やだぁっ!!一くんったら照れちゃって!!」
「……」
斎藤さんの顔が真っ青だった。
花見ちゃんって…
ある意味、最強だ…。

