新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)






そんな風に毎日を過ごしてるうちに、半年が過ぎた。


壬生浪の局長だった【芹沢 鴨(セリザワ カモ)】さんは、いつも身勝手な行動ばかりし、皆が不満に思ってた。

だが、その芹沢さんを皆が斬り、局長は【近藤 勇(コンドウ イサミ)】さん。

副長は土方さんとなった。


『壬生浪』という名前も『新撰組』と変わり、ちょっぴり新鮮な日々を送っていた。


私は暇さえあれば道場に顔を出し、毎日のように仕事をしていた。

巡察もたまに同行したりもしてた。


でも
あの、始めて人を斬った日から一度も人を斬っていない。


運がいいのか、悪いのか。
自分でも良く分からない気持ち。


「…このままでは京が危ない。」

「…ですね。」

幹部の人たちの部屋から小さな声が。

…京が危ない…??

私は障子に耳を近づけた。
盗み聞きは悪いことだけど、なんだか気になる。


「誰だ、そこにいるのは。」

「ひっ……」


ば…ばれた…
今日は天気がいいから、影で見えるのかっ!!


私はゆっくり障子を開け、部屋の中に入った。

その場に座り込む。

「盗み聞きなんてしてすみませんっ!!…でも、京が危ないって聞いて…つい。」

「…そうか。…実は、長州の奴らが作戦を練っているらしいんだ。」

「作戦…??」