その時。
「真珠!!お前大丈夫か!??」
副長…土方さんが現れた。
私は力が抜けて、喋ることすら出来ない状態。
土方さんが私を背負ってくれる。
でも私は降りようとした。
「嫌…。稽古……!!!」
「真珠!!!お前、稽古を何だと思ってるんだ!!」
私の体が一瞬にして固まった。
(稽古を…何だと思ってる…??)
私は目の前が真っ白になりかけた。
「稽古は確かに強くなるためにするものだ。でも、お前の『強くなる』とは違う。お前の場合は稽古なんか必要ない。」
「え…??」
「『心』だ。今のお前に必要なのは心が強くなること。…それだけだ。」
「心が…強くなる…??」
その時、私は今までの苦しみから解放された。
そう…。
そうだよ。
私、間違ったことしてて馬鹿みたい。
気絶したのは、私が弱かったから。
だからって稽古をして強くなっても同じ。
私が弱かったのは心のせいだったんだ。
心が弱かったから気絶したんだ。
「…た…さ…。」
「ん??」
「土方さぁあぁん!!!!」
「わ…!!なんだよいきなり!!」
私は土方さんをギュッと抱きしめると、背中からひょいっと飛び降りた。
「ありがとうございます!!土方さんのおかげで私…大切なことに気づきました!!ではっ!!」
そう言って私は、その場から去った。
「熱…もう治ったのか………!?」
そんな土方さんの独り言も聞かないで。

