新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)



黙り込んでた土方さんも、やっと口を開く。

「おい、お前は黙って…」

「んもぉっ!!そうねぇ、おばさん達には今すぐ出てってもらわなきゃね。こっちが困っちゃうわ。」

「…ちょっとは黙…」

「まったくもう!!うちの布団で寝ないでほしいわっ!!」

「馬鹿。少しは…」

「ねー、土方さんもそう思いますよねぇ??」



それから花見ちゃんは外に放り投げられた。

土方さんが眉をピクッと動かせる。

私は笑いをこらえて、土方さんを見つめた。


「…それで、話って…??」

「ああ。このばあさん達は真珠を迎えにきたんだろ??…で、お前はどうするかってことだ。」

「…え??」

「未来に戻るか、ここに残るか。」

「………。」


私は思わず黙り込んだ。

どうしよう…。

これってすごく、すごく難しい選択。


2年もかけてまで私を迎えに来てくれたおばさん達。

1人だった私を仲間として受け入れてくれた新撰組の皆。


どっちかを選べ、って言われてるのと同じことだ。

部屋の中が静まる。

外から文句を言う花見ちゃんの声しか聞こえなかった。



「…私……!!」