新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)





男が私の腹を刺してくる前に、と私は男に向けて刀を投げつけた。

丁度、男の首辺りに刀が刺さる。


「…はぁ…、はぁ…。」


私が息をきらすと、首に刀が刺さったまま、男が喋り始めた。


「おら…は…、こ…んなこと…しとぉなかった…!!…死にた…くなか…た…!!」

「!!!」

「…死にとぉ…なか…た……。」

「…わ…、私だって…、こんなこと…!!」

「…んじゃ……、な…んで……。」

「…なさい。…ごめんなさい。…貴方だって、沢山辛い思い…したよね…。」

「…あ…あ……。」


やっとのことで言い終えると、その男はゆっくりと目を閉じた。

私は目にいっぱいなみだを浮かべ、その男を見つめた。


きっとこの男は、誰かに命令でもされて、こんなことをするハメになったのだろう。

したくもないのに…、無理やり…!!


そんなの…、あんまりだよ…!!