新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)





予想通りの展開に、私には言葉を失った。

帰る…??

元の時代に…??


「真珠ちゃんだって、帰りたくても帰れなくて、辛い思いをしたと思うわ。」

「…そ…、そうですけど…、私…!!」

「あら、じゃあ英夫は何で死んだのか教えてちょうだい。」

「…不逞浪士に…刺されて…。」

「…真珠ちゃんには同じようなことになってほしくない。いつまでも幸せな日々を送ってほしいのよ。」

「…そ…んな…。」

「さあ帰りましょう。」


あれ。

私、自分の気持ちがよく分からない。

帰りたいのか、帰りたくないのか。

自分で自分の気持ちが分からないなんて、変なの。


「…早く…!!」


おばさんの目がキラリ、いやギラリと光った。

同時に私の体が震える。


「…んもぉっ!!!」


黙り込んでいる私にイラついたのか、おばさんが私の腕を掴み、歩き出した。

(つ…連れていかれる…!!)

おばさんの体はデカイ。

とてつもなくデカイ。

そのせいか、どんなに逃げようとしても逃げれない。


「…ゃ…、おばさん…!!」


ああ、皆に何も言えずに戻ってしまうの??

そんなのやだよ…!!




嫌…!!