新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)






その声に、私達は振り返った。

藤堂さんが前に出る。


「ああ、そうだ。何か用でもあるのか??」

「もちろんだとも!!…ここに金森 真珠という女はいねぇか!??」


私は1つ、深呼吸をすると、藤堂さんの隣に立った。


「それは私のことです。…私が何か…??」


私が問うと、目の前にいる武士らがケラケラ笑った。

…とおもうと、表情がコロっと変わる。


「てめぇ、岸辺 豊太郎様を殺した…か??」


岸辺 豊太郎…。

私のパパを殺した犯人。


「はい。」

「岸辺 豊太郎様を殺すとは…!!!!」



どうやらこの人達は、岸辺 豊太郎の仲間のようだ。


私は刀を握った。

きっと、斬り合いが始まるに違いない。



「…おめぇは岸辺様の仇だ!!…斬れぃ!!!」


リーダーらしき人の一言で、その周りにいた奴らが刀を抜いた。

藤堂さんが、小声で話す。


「ここは俺に任せろ…!!真珠は今すぐ逃げるんだ!!」

「でも……!!!」

「早く!!!」


藤堂さんが怒鳴り立てた。


私は涙をこらえ、走り始めた…、けど。




「お前が逃げてどうする!!…俺らの目的は、金森 真珠…、お前を殺すことなんだよ!!!!」


私の前に現れたオジサンが、刀を振ってきた。