「…でも俺…!!」


沖田さんが刀を握った。

『もう一度、刀を振りたい』

そう言いたかったのだろう。


私は沖田さんに問う。


「…沖田さん…。刀、持てますか…??」

「…え?」


沖田さんは刀を握り、持ち上げた。

でもそれは一瞬で。

持ち上げた瞬間、逃げるように刀は床に落ちた。


沖田さんが目を丸くする。


私は落ちた刀を拾うと、沖田さんに渡した。


「沖田さんはもう限界に近づいてます…!!お願いです!!…横になっててください。」

「…真珠ちゃ…。」


沖田さんの目から、次々と涙が零れ落ちた。





ーーーこの日から、沖田さんが道場に顔を出すことは二度となかった。