「沖田さんっ!!」

「…っさいなぁ…。」

「…え?」


沖田さんが、私を思いっきり睨んだ。

それと同時に、私の体が震える。


「うるさい…。少しは黙ってられないわけ?」

「…!!……でも、沖田さんは病で…」

「…その病人扱いが嫌なんだ…!!」

「…!」


私は思わず黙り込んだ。


[病人扱い]

この言葉を聞くと、なぜか胸が苦しくなる。



「…みんなそうだ…。俺の気持ちなんかわかんないくせに…!!」

「…でも、皆さんは心配してるんですよ…??」

「…心配??」

「はい。…皆さんは、ちょっとでも早く沖田さんが元気になってほしい。…そう思ってるんですよ…??」


私が言うと、沖田さんが軽く笑った。


「誰が心配なんかしてるっていうのさ。俺が死んでも、皆はすぐ俺のことなんか忘れる。…第一、病が酷くなろうと、俺の勝手。…真珠ちゃんには関係ない…。」

私は目を丸くした。

[皆が沖田さんを心配してない]…??

[沖田さんが死んでも、すぐに忘れる]…??


…そんなこと、誰も、1つも思ってない。

心配してる…、皆は沖田さんをすごく心配してるのに…!!



「沖田さん!!!」


私は大声で叫んだ。


「沖田さんが考えてることは間違ってます!!…沖田さんは、私達が思ってる以上に辛いかもしれません。…けど、沖田さんがいなくなったら何人もの人達が悲しむんですよ…!?…私もその中の一人です。」


「………。」


「お願いです。…一日でも早く、病を治してください…!!」

「…真珠ちゃん…。」


沖田さんの声は震えていた。

もしかすると、本当は辛くて、苦しくて…。

でも、ずっと平気な顔をしてたのかもしれない。


皆に心配をかけたくないから…??