王子様は旦那様

「ばぁーか。俺にとって、お前が最高の女だよ。誰が何言おうと、くるみを離す気なんてねぇからな」


拓斗は優しい笑顔を見せた。

それを見たら、目に溜まっていた涙が溢れた。


「うぅ〜」


「よしよし」


拓斗はあたしの頭を撫でながら、抱き締めた。


いつもだったら、『何すんのよ!』って、突き飛ばすんだけど今は…このままで居たいと思った。


拓斗の体温と丁度良い甘い香水の香りが、心地よくて涙は止まっていた。