王子様は旦那様

「……悪かった…蹴ったりして」


今度、拓斗は申し訳なさそうな顔をした。



「…反省してるなら、いいけど……どうして蹴ったりしたのよ」



そうよ!
あたしは何も悪いコトしてないのに!!



「……………」


「何よ」



「……………」


「何?」



「……………」



「もう何なのよ!」



「……………」




今度はアンタがダンマリか!



拓斗は物凄く言いたくなさそうな顔をしてる。



「…ガキか」



「あ!?」



おっ!

喋ったぞ。



「あ!?じゃなくて、理由を言ってて言ってるんじゃん!」



もう何かイライラしてくるわ!


「〜〜あーくそ!嫉妬したんだよ!」


拓斗は顔を見たコトないほど真っ赤になっている。



「…はっ?」



「はっ?って何だよ。人がせっかく理由言ってやったのに」



「え、いや、だってどこに嫉妬する要素があったの?」