王子様は旦那様

「“思います”じゃくて“絶対無い”だろ?」



まだ拓斗はジッと見てくる。



「は、はい」


あたしがそう言うと


ギュッと更に抱き締めてきた。


うっ。



た、拓斗さん苦しいっす…。


拓斗の腕を引き剥がそうとした時、



「……傷付かないとでも思ったか?」



「え?」



拓斗??



どうして、そんな悲しそうな声してるの?


「…普通に嫉妬するし、すげぇ胸が苦しかった。くるみを他のヤツに触らせたくねぇし」



「拓斗……」



さっき、そんな傷付いてたんだね。


「すぐにでも引き剥がしたかった。……でも、アイツ…恭平のコト考えると、引き剥がせなかった」



「拓斗」


あたしは拓斗が愛しくなって、背中に腕を回して抱き締めた。


「くるみ?」



「ゴメンね。無神経だったね。………拓斗?」




「ん?」



「………好きだよ」



「!?///」



あたしは拓斗に


チュ


とキスをした。


そして


「大好きだよ。拓斗」


あたしはニコッと自然に笑顔で言っていた。



拓斗は初めは顔真っ赤に染めていたけど、あたしの目を見て優しく笑っている。


こんな優しい、愛しそうな目初めて見た。