ラヴァーズ・ゲーム

「あそこに崇いるんでしょ?


使いなよ」


追い詰めるように、辛が迫って来る。


血の通わないような、冷たい瞳だ。


数歩後ずさった所で、舞子はやっと声が出せた。


「・・・でも・・・」


語尾が震える。


協調性の塊みたいな舞子は、今まで異議を申し立てた事など無かった。


だけど、続ける。


「それって・・・狡くない?」