いっそ自分は邪魔かも知れない。


時雨はそんな風にすら思った。


この場を離れるべきか、足が惑う。


すると、辛が時雨の服の裾を握った。


居ても良い、の合図だ。


困ったように時雨が笑うと、


辛のダムが決壊した。


大粒の涙は、しばらく、


零れ続けた。