朱く染まる夕焼けをバックに、


崇のシルエットが映える。


今日も崇はサッカー部の練習に励んでいる。


舞子はいつもと同じに、フェンスの外側から崇を眺めていた。


「飽きないねー」


人知れずひっそりと日課に没頭していた舞子は、普段掛かる事の無い声にすくんだ。


けれど、今回は二度目だ。


すくんだものの、一瞬でピンと来た。


「辛ちゃん」