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「行ってくるわ」

「ちょっと、何処行くの?」

「んー? ……道場」


今日は朝から稽古を見てもらうつもりだった

俺――宇野 天将(ウノ タカマサ)――は竹刀袋を背負い、家を出た

明日はきっと雹が降るわね!
なんて声が聞こえるが、気にしたら負けだ


……つーか、俺だってやる時はやるし


なら学校行けよ、とか思うかもしれないが、学校とか論外
俺にとってアレはただの糞溜めだ



――わりぃ、言葉が汚かったな



要するに“腐ってる”って言いたいんだ

はっきり言って、俺が通ってる高校は頭が悪い

毎日窓を割るわ、教師を殴るわで騒がしいことこの上ない


まぁ、俺も不良をやってるから、人のことなんざ言える立場じゃないんだけどな

でも、俺がこうなったのは去年……高二の時からだ