THE CANCEL



「なんです?分からないのですか?
これだからバ「帰ります」

……はい?」


「これだと風邪をひくので……」



(((はぁぁぁああぁッ!!??)))


まさかの嘉陽の言葉に、心の中で一斉につっこむ

山川も目を丸くする


当の本人は制服のブレザーを指で摘み、
びちょびちょ……
と呟いていた


(はぁー……そうだった、この子はこういう子だね……)


やれやれと、小町は半ば呆れた顔で見ている



(ほんと、ヒロらしいわ……)









教師を目の前に、堂々と鞄に教科書やらノートやらを詰め、皆が唖然としてる中、
「バイバイ」
と小町に小声で言うと、山川には何も言わずに教室を出ていった







――冷たい風が、教室を通り抜けた