だけど彼は私に気が付かない。 窓沿いにある歩道を真っ直ぐ歩いてきて 距離は段々近づいてはいるんだけど… 私の声が聞こえないのは、 多分彼が何か音楽を聴いているからだ ようやく見えたイヤホンは、 小さなうねりを作りながら 彼の両耳を独占している。