Black Gold




「ありがとうございました。」

タクシーを降りると、
雨は激しさを増していた

「ほら、砂槻。もう少しだから」

半分引きずるよう砂槻を部屋まで運ぶ

「あ…鍵。鍵持ってる?」

「か…ぎ……?」

ポケットから出された銀を
鍵穴に差し込み、そっと回した