Black Gold




せっかくセットしてもらった髪が
雨で落ち着いてきた頃、
タクシーへと乗り込めた

「那浪様からのご予約で…?」

「はい、そうです。」

目的地を告げ、風邪を引かないように
砂槻の頬の雫を拭う

寝静まって肩にもたれ掛られたまま、
小さく息を吐いてやっと落ち着いた