「お姉さんたち、一杯奢るから来てよ!」

客引きの学生に半ば無理矢理手を引かれて、私たちはそのお店の前まで来た。

「何がいい?」

「…じゃあ、1番お酒っぽくないやつで」

歳も聞かないままにカクテルを作って渡してくる。
どうやら本当にタダでくれるらしい。
せっかくだからと、少し戸惑いながらも私たちはカクテルを飲み干した。

「いくつなの?」

学生が今更私たちの齢を聞いてきた。

「…17歳」

「えっ!?未成年!?」

「うん」

「飲ませちゃってごめん!先に聞けば良かったよな」

ごめんも何も断らなかったのは私たちだし…と思ったけど、とりあえずいいよと言っておいた。

「友香、森くん着いたって」

森くんからメールがきたらしく、麻衣が私の袖を引いて小声で言った。

「私たちちょっと用事があるからもう行くね」

「もう行っちゃうの?時間あったら戻って来てよ」

「うん、またね」

一応そう答えて私たちはその場を離れた。

「きっと女の子みんなにああやって声かけてるんだろうね」

「そうかな?今の人けっこうかっこよくなかった?…あっ、森くん!」