──時間? その言葉で、私ははっと我に返った。 「うわぁぁーっ! ちょっと待ったぁーっ!!」 私は思いっきり、迫りくるヤマタロの顔を両手で押し戻した。 「痛ぇっ!」 私は、力一杯両手を突っ張ると、目の前に見えるヤマタロの喉仏に向かって叫んだ。 「ダメダメ、ダメだってばー!!」 心の準備とか、ブランクとか、そういう問題じゃないって!! だって。 だって──。 だって────! その時、ナイスタイミングで部屋のドアが開いた。